こんにちは。公ペンです。
この記事を見つけてくれた方は裁判所事務官を目指す受験生が大半かと思います。他の公務員試験と違って、仕事内容等々ブラックボックスな裁判所事務官( ;∀;)
裁判所事務官の仕事内容は?
裁判所事務官と裁判所書記官の違いは?
裁判所事務官の志望動機は?
上記のような疑問を持っている受験生は多いのではないでしょうか。そんな方の不安や悩みを解決できるようこの記事では、下記3点を中心に解説していきます。
- 裁判所事務官の志望動機ヒント
- 裁判所事務官の面接試験で聞かれる質問
- 裁判所事務官の仕事内容
なおオマケとして最後に採用パンフレットの要旨と過去問回答番号も掲載しています。
受験生の情報共有LINEグループ➡裁判所特化部屋 それ以外➡コチラから
裁判所事務官の志望動機(編集中)
志望動機例
法の専門家として裁判運営に携わる書記官を目指し志望します。裁判は時に人々の生活に大きな影響を及ぼします。そういった裁判を準備段階から支える事務官(書記官)の仕事に強い責任感とやりがいを感じます。また説明会で伺ったチームプレイを大切にする裁判所で、同じ志を持った仲間と共に、適切かつ迅速な裁判運営にチーム一丸となり寄与したく思います。個人としても、来庁者や関係者から「この人なら」と信用されるような職員になりたく思います。
ちなみに入力できるようなワードファイルを作ってみました。コチラからダウンロードできます!
文字サイズや行間を調整すると、自身にあった面接カードが作れるかと思います。また硬筆のように、1行ずつ折り曲げて面接カードを模写していくとバランスよくきれいな面接カードが作成できるのでお勧めです。
フレーズ覚書
- 訴訟法を学んだことをきっかけに、法律関係の仕事に関心を持ちました。
- ○○(例:裁判所事務官を目指す友人との会話)をきっかけに、説明会や裁判傍聴へ参加しました。
- 裁判傍聴をきっかけに裁判所事務官という仕事を知りました。
- ○○をきっかけに、法律関係の仕事に関心を持ち、裁判所事務官を志望します。
- 実際の裁判傍聴時、裁判が適切かつ迅速に進むよう業務に臨む事務官の方々の姿は、私が考える無機質※な法律の姿とは異なり、強い衝撃と感銘を受けました。(※突っ込まれたら人の血が通っている等、裁判は人が動かしている旨の回答)
- 当事者意識とバランス感覚をもって業務に臨む
- 法律に馴染みのない方が
- ○○をきっかけに、法律関係の仕事に関心を持ち、裁判所事務官を志望します。
- 裁判手続のプロフェッショナルである書記官として、重責を持って裁判事務に携わることに強い魅力とやりがいを感じました。
- 国民と司法の橋渡しを担う裁判所事務官
- ○○(例:公務員予備校で採用パンフレットを見た事)をきっかけに、説明会や裁判傍聴に参加しました。
- 法学部に入学当初、訴訟手続の難解さに圧倒された経験から、法律に馴染みのない来庁者に向けて、当事者意識を持って、分かりやすい説明を行う事務官・書記官の仕事に臨みたいと考え志望します。
裁判所事務官の面接カード
面接カードと勤務希望地等調査票
裁判所事務官の面接カード、内定者の記載例が無料で確認できます。
裁判所事務官の面接カードの記載欄はかなりのボリューム感。十分な時間を確保し、面接カードを作成しましょう。なおONECAREERで合格者の面接カードの記載例が無料で確認できます。
(6/1時点で23件)。正直、利用しない手はないです。
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【リプ閲覧注意】【裁判所一般職合格発表】
— 公ペン@地方上級特別区 公務員試験2023 (@publicpenguin23) June 1, 2023
サバ落ちで合格発表、見れない方リプライから確認どうぞ。
合格者の皆さん、おめでとうございます。
さて裁事の面接カードですがボリューム結構すごいのですぐ内容を確認しましょう。
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裁判所事務官の面接試験で聞かれる質問
【裁判所特有の面接質問例】
- 裁判所の印象は?
- 裁判傍聴どうだった?
- 刑事部と民事部どっちで働きたい?
- 事務官と書記官の仕事は知ってる?
- 書記官になりたい?
- 法知識の疎かな人にどう分かりやすく説明する? 説明の際、大切なことは?
- 当事者双方を助けられないけどどう思う?
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なお解答番号は記事最下部にあります。
裁判所事務官の面接会場 ※赤字都市は高裁有
面接官にコチラに来るのは初めてですか?と聞かれることも多いので、「裁判傍聴で来たことがあります!」と答えられる良いかもしれませんね。
- 札幌市:札幌高等裁判所、札幌地方裁判所
- 函館市:函館地方裁判所
- 釧路市:釧路地方裁判所
- 仙台市:仙台高等裁判所、仙台地方裁判所
- 福島市:福島地方裁判所
- 盛岡市:盛岡地方裁判所
- 秋田市:秋田地方裁判所
- 青森市:青森地方裁判所
- 東京都:東京高等裁判所、東京地方裁判所
- 横浜市:横浜地方裁判所
- さいたま市:さいたま地方裁判所
- 千葉市:千葉地方裁判所
- 水戸市:水戸地方裁判所
- 宇都宮市:宇都宮地方裁判所
- 前橋市:前橋地方裁判所
- 静岡市:静岡地方裁判所
- 甲府市:甲府地方裁判所
- 長野市:長野地方裁判所
- 新潟市:新潟地方裁判所
- 名古屋市:名古屋高等裁判所、名古屋地方裁判所
- 津市:津地方裁判所
- 金沢市:金沢地方裁判所
- 富山市:富山地方裁判所
- 大阪:大阪高等裁判所、大阪地方裁判所
- 京都:京都地方裁判所
- 神戸市:神戸地方裁判所
- 広島市:広島高等裁判所、広島地方裁判所
- 山口市:山口地方裁判所
- 岡山市:岡山地方裁判所
- 鳥取市:鳥取地方裁判所
- 松江市:松江地方裁判所
- 高松市:高松高等裁判所、高松地方裁判所
- 高知市:高知地方裁判所
- 松山市:松山地方裁判所
- 福岡市:福岡高等裁判所、福岡地方裁判所
- 長崎市:長崎地方裁判所
- 大分市:大分地方裁判所
- 熊本市:熊本地方裁判所
- 鹿児島市:鹿児島地方裁判所
- 宮崎市:宮崎地方裁判所
- 那覇市:那覇地方裁判所
裁判所事務官の仕事内容
裁判部門(裁判部)と司法行政部門(事務局)
裁判所事務官の仕事を知る上で、初めに裁判部門(裁判部)と司法行政部門(事務局)があることを知りましょう。
皆さんがイメージする(裁判傍聴で目にする)裁判所事務官は裁判部門(裁判部)の所属です。
裁判所の仕事 裁判部門(裁判部)
裁判手続事務
裁判所書記官のもとで裁判事務に従事します。具体的には、裁判所事務官が調書作成をするための資料の収集、各種書類の準備や関係者へ書類の発送事務等を行います。
当事者への案内等
当事者に裁判手続の案内をすることをはじめ、裁判・調停当日の出頭確認等行います。法に馴染みのない当事者もいるため、分かりやすく説明しサポートします。
裁判員制度
一般住民が裁判員として刑事事件の裁判に参加し、裁判官と一緒に無罪・有罪の決定に関与する「裁判員制度」に係る業務に携わります。具体的には裁判員の選任手続や受付、説明会の運営などを行います。
裁判部門(裁判部)の仕事内容具体例
- 法廷業務
- 開廷準備:法廷の鍵開けや開廷表(その日に行われる裁判の一覧表)の準備や法廷設営(裁判で必要な機材や書類の準備)を行います。
- 当事者対応:同じ期日の裁判が複数あれば、当事者(原告・被告)も複数来庁します。混乱が起こらないよう、担当する裁判の当事者受付を行います。
- 書類受付
- 事件番号等の読み上げ
- 通常業務(執務室)
- 電話応対
- 書面受付
- 手続教示
裁判所の仕事 司法行政部門(事務局)
総務課
裁判所の設備や備品の管理・維持を行う。
人事課
職員採用や人事異動の人員配置の調整、職員研修に関する事務を行います。
会計課
物品購入や委託契等による各種契約、裁判官や裁判所書記官の出張・調査などにかかる経費や保釈金の処理などが適正に行われているかをチェックします。
司法行政部門(事務局)の仕事内容具体例
過去の事務分掌になりますがコチラ参考になりますね。
司法行政部門(事務局)は組織として必要な機能(庶務・人事・労務・経理等)を担います。そのため仕事内容は市役所や県庁等他の組織と共通する部分が多いです。具体的な例をあげれば下記のような感じですかね。
裁判手続を取扱う裁判所という組織そのものを支えている縁の下の力持ちのようなイメージです。
- 庶務→物品の購入、裁判官会議の調整、外部からの通知や依頼等の周知や取りまとめ
- 人事→人事計画・職員配置や人事考課、研修実施、新規採用職員の採用事務
- 労務→勤怠管理(職員の有給・病休・育休等の手続等)、福利厚生(例:ベネフィット等)
- 経理→予算及び決算の取りまとめ、物品購入や委託契約等が適正か審査
裁判部門(裁判部)と司法行政部門(事務局)のまとめ
裁判部門(裁判部)は裁判に実際関わる仕事を、司法行政部門(事務局)は組織として必要な仕事とイメージできると良いですね。
- 裁判部門(裁判部) …裁判に必要な手続きや裁判の進行に関わる事務仕事
- 司法行政部門(事務局※)…どの組織にもある人事・会計・庶務などの事務仕事
※ 多少は裁判所ならではの知識を用いるかもしれませんが、他の組織と仕事内容は変わりません。
【参考】裁判所事務官 採用パンフレット(令和4年10月発行)の要旨
大法廷首席書記官からのメッセージ 重要度★★★
- 社会はデジタル化による変革期
- 国民ニーズ・社会変化に対応する必要がある。
- 裁判所職員(裁判官・書記官・家庭調査官等)一丸となり連携・協働して適正な裁判の実現に向けて日々精進。
- 職員が個人レベルで、自己の役割を真剣に考え、力を合わせたチームに!
- 若さと情熱を持った皆さんもそんなチームの一員に加わりませんか?
裁判所の組織/採用試験 重要度★☆☆
- 法学部以外からも、合格者多数。法学部のほか、経済学部、文学部、教育学部、理学部など、様々な学部出身者が活躍。
- 事務官法律研修や裁判所職員総合研修所の養成課程など、採用後に法律知識を習得する機会もあるので心配ご無用
裁判所の職種紹介 重要度★★★
- 裁判所事務官
- 適正・迅速な裁判の実現を支える
- 各裁判所の裁判部や事務局に配置。 裁判部では裁判所書記官のもとで各種の裁判事務に従事、事務局 では総務課、人事課、会計課等において司法行政事務全般に従事。
- 裁判部と事務局は、互いに連携を図り活動
- 職員インタビュー
- 業務内容は検察官や弁護人等から提出される書類の授受や郵便の発送、開廷前の法廷の準備、裁判員裁判に参加する裁判員の方の接遇(裁判所刑事)
- 特に裁判員裁判は、裁判員候補者の方への書類の発送や裁判員を選任する手続の準備、裁判期日当日における動き等、裁判官や書記官と密に情報を共有し、相談しながら事務を進めるため、チームとしての一体感や達成感を強く感じられることも。
- 最近では、周囲に気を配り、自分にできることはないかを常に考えながら仕事に取り組めるようになりました。
- 相手の目線に立った柔軟な対応を(裁判員裁判の選任手続や裁判期日には一般の方も多く来庁し、事務官が直接対応をする場面も多い)
- 裁判所書記官
- 裁判手続の プロフェッショナル
- 法律の専門家として固有の権限が付与(裁判所法第60条)
- その権限に基づき、法廷立会、調書作成、訴訟上の 事項に関する証明、執行文の付与のほか、支払督促の発付等を行う。また法令や判例を調査し弁護士、検察官、訴訟当事者等と打合せ等を行い、裁判を円滑に進行することも大きな役割の一つ
- 裁判所書記官が立ち会わないと法廷を開くことができない→どの裁判所にも配置
- ※裁判所書記官には、裁判所事務官等として一定期間勤務後、裁判所職員総合研修所入所試験に合格し、同研修所で約1~2年の研修を受けるとなれる。
- 職員インタビュー
- 法廷で裁判立会、期日調書等の作成、窓口や電話にて利用者に裁判手続の説明を行っています。
- 代表的な仕事としては、調書作成事務が。※調書とは、裁判でどんな手続が行われたかを証明する文書で書記官の身に作成権限→責任感とやりがいに。
- 円滑な裁判を実現するための事件の進行管理も書記官の仕事。各事件の進行管理で、問題が生じれば必要に応じて、裁判官と必要な作業や進行について打合せを行い、事務官・他書記官と相談し裁判の準備を進める。皆で協力し円滑に裁判が進行したときに、自分自身のマネジメント能力の向上とチームとしての達成感を味わうことができる
- 書記官は、法的知識を生かして働く法律専門職。利用者へ丁寧な説明をすることも重要な仕事。利用者の話によく傾聴し、分かりやすい説明し、その利用者が滞りなく裁判手続を進められた際もやりがいに
- デジタル化等社会情勢の変化に伴い、裁判所も大きな変化の時期に。民事部でも、ウェブ会議を利用した裁判も。チャット機能や、文書データを用いたデジタル化された事務に。裁判手続のデジタル化にに伴い、手続のプロである書記官も、柔軟に変化することが重要
- 裁判所は若手の意見を積極的に取り入れてくれる職場。 実際に採用3年目で利用者に送付する手続説明の文書を新設する提案した際、その案が採用された経験
- 家庭裁判所調査官
- 夫婦や親族間の争い等家庭に関する諸問題を家事審判や家事調停、人事訴訟などによって解決するほか、非行少年の処分を決定する。法的解決を図るだけでなく、 事件背後の人間関係や環境を考慮した解決に資する。例えば、離婚による親権者の指定・変更等の当事者や事件送致された少年及びその保護者を調査し、紛争の原因や少年が非行に至った動機、生育歴、生活環境等を調査します。
- 職員インタビューは割愛
チームで働く【主任書記官×書記官×事務官】 重要度★★☆
- 第3民事部の債権発令係
- 判決等で命じられた法的義務を履行しない債務者に対し、裁判所が差押える(債権回収を図る)債権執行の手続を担う。
- (書記官)差押手続の進行管理、 債務者に所有財産を開示させる手続の期日に立会い調書を作成する公証事務を行う。
- (事務官)書記官の補助業務。債権発令係では、電話・窓口対応や書類受入れといった受付部門と、命令発令、送達等の手続進行部門の2つの業務を行っている。受付部門は主に事務官が担い、事件関係書類の受付や一次審査、事件データ作成など行い書記官事務が円滑に遂行できるよう業務に携わる。
- (主任書記官)書記官の役割に加え、管理職として、現在の部署の業務が円滑に進むように マネジメントを行う。また部下の指導育成、事務局を含めた関係部署との連携を図る。
- 債権執行手続→国民の人権に直接影響を及ぼす重大な法的手続のため適正さかつ迅速性が 要求される。責任の重い仕事だが、法律専門職として、 裁判官と相談し主体的に事件処理を行うことにやりがいが!
- (事務官)利用者の窓口対応は、主に事務官が。手続に不安のある来庁者が自身の対応で、少しでもその不安を軽減できていると感じた際に、やりがいが!
- 提出書類をまず目にするのは、事務官。定型的でない事件申立の際には書記官に相談。所属書記官達で議論し、書記官室の意見を裁判官に伝えて判断してもらうことも。事務官が検討事項に気付いた結果、スムーズな手続進行(予め申立者に後に書面補正が必要になる可能性を伝えるきっかけに)につながることも。また書記官と裁判官でその場で議論、検討できる風通しの良さから、スムーズな手続進行が生まれうる。
- (事務官)業務遂行時、その後に対応する書記官が仕事を進めやすいよう、意識して仕事をしている。工夫に感謝してもらえた際は、嬉しい。
- 第3民事部の債権発令係では、各職種間、双方向に議論等で方針を決めるやり方が根付いている。係配属3年目だが、丁寧な指導等から連携だけでなく、職場の風通しの良さを感る。書記官は、皆が話しやすく質問しやすい。裁判官は、勤務時間外に書記官試験勉強会の開催や勉強方法やプライベートの相談に乗ってくれたりする。
- 子どもの病気で突発休暇の際、部内全体でサポートする雰囲気がある。互いをフォローしあう風通しの良い職場。「お互い様」精神を部署全体で共有し、「適正迅速な債権執行」という部署目標に向けて、チームワークを第一に業務に臨んでいる。
- (受験生へ)法学部出身じゃなくても、社会人でもOK。裁判所は様々な人材を受けれいる土壌あり。多様な価値観の職員同士で年齢、キャリアを問わず活発的に意見交換・相互成長できる職場です。周囲のサポートも手厚い!
- 司法行政部門
- 司法行政部門(総務課)パソコン等の整備や情報セキュリティ対策、国民からの裁判所の情報公開請求への対応が主な仕事内容。なお裁判所は現在、デジタル活用によるより良い司法サービスの提供に力を入れている。高裁や最高裁と連携しつつ、地方裁判所の担当者の役割も担っている。各部署と相互に相談しやすい関係を築くため、日頃からコミュ ニケーションを密に。 新たなことを連携して進める際、自身の成長や組織の強化が感じ取れる(やりがい)。
- 総務課は、裁判部や事務局、他部署との調整が非常に多い、裁判所以外の機関等にも影響を及ぼすことも少なくない。常に「どこの部署と調整し、妥当な結論・解決策を導くか」を意識し、 時には他部署の意見等も取り入れながら、最適な結論を導き出すことも。他部署にはそれぞれ様々な考え方があるため、調整が難しいことも。その反面、うまく調整できた際は、達成感も大きい。
- (司法行政部門として)事務局の各部署は、「適正迅速な裁判の実現」のため、裁判部門の仕事が円滑に進むよう下支えをする必要不可欠な存在。
- 特に総務課は、 広報活動、報道対応、法廷や裁判所の建物の警備、デジタル化に向けた準備、情報セキュリティの遵守、国民への説明責任から保存文書の適切な管理事務等、非常に多岐に渡る業務を取り扱う。また情報も集まりやすい部署。
- 他の部署との調整も多く、突発案件や、急ぎの案件も少なくない。ゼロベースの案件であれば、他機関に考慮しつつ、1から裁判所としての方針を決めていく。難しい仕事の反面、上手く段取りを整え業務が遂行できた際は、喜びも大きい。
- 裁判所は、人と人との繋がりで成り立つ職場。裁判を行う部署だけでなく、適正迅速な裁判を支える様々な仕事を行う事務局がある。
- 現在、法律の知識に自信がない人も、働き始めてから、法律等必要な知識を得る環境が整っている。社会経済情勢が著しく変化する今、裁判所も 変わろうとしている。新たに柔軟なアイデアを持った人材を裁判所では求めている。
- 裁判所の社会的使命は、「国民ニーズに応え、より良い司法サービスの提供」だが、現在、デジタル化が急速に進み、裁判所も民事訴訟手続をはじめとし、各種裁判手続のデジタル化を検討している。裁判所もまたデジタル化の過渡期に。 故に「多角的な発想を持って柔軟に物事を 考え、自分の意見や考えを進んで述べることができる」人材が求められている
- 裁判官より
- 司法修習生時代には、修習先の裁判官から、「裁判所はチームで仕事をしているので、修習生もその一員と してがんばって。」という言葉をかけられ実際に裁判官になって15年、これまでずっとチーム助けられてきている。 判断者(=裁判官)だけでは、裁判は成り立たない。書記官は、手続のプロとして、公平・適正な裁判の実現のため、裁判官とともに裁判に関与する。
- 事務官は、書記官の仕事の補佐、庶務、電話・窓口 対応、関係者の接遇、誘導など、多様な事務を担い、裁判の円滑な進行にも寄与します。
- 裁判には、関係者が法廷以外で顔を合わせないよう細心の注意を払わなければならないものもあります。その際に書記官は、必要に応じて総務課などの関係部署の職員と連絡を取り、裁判の関係者が法廷に入るタイミングや動線などについて綿密な計画を立て、裁判当日は、書記官と事務官が皆で誘導や警備といった仕事をします。書記官・事務官らが裁判環境を整えてくれるからこそ、裁判官は仕事に集中できる。
- 裁判所では、各職種が自身の力を発揮し、連携しより良い司法サービスの実現を目指している。 裁判所は、デジタル化の過渡期だが、裁判を担うのは人であり、人と人との連携の大切さは不変です。
裁判所職員からのメッセージ 重要度★★☆
人事担当者からのメッセージ
- 国民の人権を守る唯一の司法機関である裁判所
- 国民の司法への信頼に応えるため、社会情勢の変化や利用者のニーズに即したよりよい司法サービスが提供できるよう歩んできました。
- デジタル化に向けた動きが加速する中、今、裁判所は、変化に柔軟に対応できる力、熱意を持って課題解決に取り組む力、そして成長し続けられる向上心を持った皆さんを求めています。
- 仕事を通じて社会に貢献したい。専門性の高い仕事がしたい。新しい知識や経験を吸収して成長を続けたい。裁判所には、そのような想いを実現し、熱意や向上心を持って生き生きと働く多くの職員がいます。
- “ともに裁判所で働こう”私たちと一 緒に、よりよい司法の未来を創っていきませんか。
新採用職員からのメッセージ
- 志望理由は裁判傍聴に何度か足を運ぶうちに、裁判所に憧れをもった。業務説明会で職員が「裁判を通じて国民の権利と自由を守るやりがいのある仕事」と話していたのがとても印象的だった業務説明会やワークショップで職員の話を聞くと、とても働きやすそうな職場と感じた。また 法学部出身でなくても、様々な部署で活躍されている職員がたくさんいることも受験した要因。
- 職場は職員同士協力して執務に取り組んでおり、困ったことや分からないことがあれば、先輩が優しく丁寧に根拠を示しつつ教えてくれる。業務説明会で耳にした「風通しの良い職場」 という表現は、働いていてしっくりくる。不明点や疑問点、不安等があれば、すぐ上司や先輩に相談できる環境があり、常に自信をもって執務に取り組めている。
- 家事部では手続の利用者へ窓口対応や電話対応、書類の作成・発送等の事務を行う。それらのひとつひとつが、利用者から裁判所への信頼に繋がるということにやりがいや責任感を感る。
- (民事部事務官)書記官事務の補助。様々な角度から民事裁判の進行に携わる。国民の信頼を確保するためチームで業務に取り組むことに、日々やりがいを感じる。
- 採用2年目だが、書記官や後輩職員から頼られる存在になるため、自己研鑽していきたい。書記官になるために、 裁判所職員総合研修所の裁判所書記官養成課程への入所試験に合格を目指している。
- 些細な気づきを大切にし、「適正かつ迅速な裁判」の実現のため、的確に業務を行える職員になりたいです。
- 裁判所で働くことに、イメージがわかない受験生へ「一度、裁判所の業務説明会に参加しよう。職場の雰囲気や充実した研修制度など、裁判所の魅力的な部分を知る良い機会となります。裁判所が「お堅い職場」「イメージできない」という受験生は説明会やワークショップに参加し、職員の話を聞くとよいです。
総合職職員からのメッセージ
- 裁判所の組織運営における企画立案の中核を担うことが期待される。実際、総合職として採用され書記官任官後、最高裁の事務総局や地裁等の裁判部・事務局において、書記官としての裁判事務に加え、人事制度にかかる企画検討や新たな法律の施行準備などの多様な経験を積みました。キャリアの中で、裁判所の組織の在り方や、 裁判の運用について、幅広く学び、成長の機会が与えられる。
- 現在、最高裁の事務総局で、裁判所全体のデジタル化を推進する業務に携わっている。デジタル化の検討は、「紙」や「対面」が当たり前だった裁判所の 仕事を一から見直すような作業。書記官として実際の事件処理に携わった経験や、裁判所全体の組織や裁判事務の運用の在り方の検討に携わった経験を生かしつつ、様々な部署の仲間や、民間採用のデジタル特化した同僚らと意見交換を日々重ねている。 今後の裁判の在り方、将来の職員の働き方に影響を与えうる、やりがいのある仕事と感じている。キャリアを振り返れば、様々な部署でいくつもの仕事を経験する中で、いろいろな人とのコミュニケーションを通じ、学び、成長してきた。キャリアの中で、広い視野や考える力を培い、それを更に業務に生かしながら成長していけるのも、総合職の魅力の一つです。
- 全国の裁判所に予算を分配する仕事をしている。人件費や庁舎の管理費用、各種システムの開発費用など、組織の運営には予算が必要。予算は有限であるため、予算を効果的に使えるような仕組みの構築が必要。その仕組み作りの検討も、仕事のひとつ。
- 総合職として採用後、地方裁判所の裁判部の書記官や人事課の係長など、裁判実務と司法行政の仕事のどちらも経験。現在の仕事では、適正に予算が分配される仕組み作りのため、先入観や前例にとらわれないよう心掛け、既存ルールとの整合性や、裁判手続への影響等を考慮し仕事に取り組んでいる、これまでの経験が現在にも生かされている。
- 仕事を通じて社会に貢献できるだけでなく、裁判所全体を広い視点から考え、行動し、組織の中核として携わることができるのも総合職の魅力です。
- 蓄積した知識・経験だけでは検討の難しい課題に直面した際、関係部署との調整が必要となる際は、一人で乗り越える必要はなく、周囲に頼れる仲間がたくさんいます。これまでも直面してきた様々な課題をチームで議論し、結論を出してきました。その際、より良い司法を実現するための重要な役割を担っていると実感でき、やりがいを感じます。
幹部職員からのメッセージ
- (裁判部事務局次長時代)の話新型コロナウイルス感染症を巡る対応。今春まで、事務局次長として、裁判部職員と協力し感染防止対策や業務継続計画 (BCP)の策定等に携わる。感染拡大防止と司法サービスを両立させるため、職員みんなが力を合わせて困難な状況を乗り越え組織の強みや職員の使命感の高さを感じた。
- (総務課で広報担当)裁判所組織全体や国民から見た裁判所という視点の重要性をいっそう意識するようになった、
- (人事課)地家裁や高裁において、多くの職員と向き合ってきた。悩みを抱える職員が笑顔を取り戻し、生き生きと働くようになる姿を見ると、 寄り添って良かったという気持ちになり、次の仕事に繋がった。
- (民事の分野)民事再生手続を担当、裁判官と共に条文を紐解いて手続を進める中で、債務超過に陥った会社が法手続に則り、債権者の理解を得ながら再生に向けて動く過程を見て、手続面から支える自分の仕事も社会と繋がっていることを強く実感した。
- (最高裁判所民事局)民事執行手続に関係する規則制定や業務システムの開発に関与したり、司法制度調査のために海外出張するなど貴重な経験を経て、視野が広がる。 振り返れば、これまでの様々な経験や上司・同僚との出会いが自身の成長に繋がってきた。
- 裁判所はデジタル化推進により大きく変わろうとしている。 どうすれば国民ニーズに応えたより良い司法サービスが提供できるか、裁判所全体で考えている。
- 職務経験すべてが職業人としての自己を形成する上で、 必要だったと振り返られる。家裁調査官のキャリアは、夫婦間や子どもをめぐる争い、非行少年の事件を担当する中で、紛争を和らげるために、再非行を防ぐために、裁判官、裁判所書記官、家裁調査官等の仲間たちとの信頼関係の下、力を合わせてきた日々であり、その過程で心動かされる 経験をたくさん重ねてきた。
- 地域内の多様な機関とも協力して仕事を進めることも少なくない。少年事件の関係機関の方々と意気投合し、若いメンバーで知恵を出し合い、新たな連携の枠組みを構築できた経験も、そのときの達成感は今でも忘れられない。
- 裁判所は、専門性をブラッシュアップさせながら、キャリアを積み上げられる場所。育児等のための充実した休業・休暇制度も整っている。 家裁調査官は、「人」に向き合う、「家族」の再生や「子ども」の福祉にかかわる、大変意義深い仕事に取り組んでいる。 研修制度も充実、所属学部や専攻学科を問わず、 多様な人材が活躍できるよう、丁寧な育成に努めている。
外部経験した職員
- 民間企業の人事部に 1年間派遣。主に社員向け研修の企画・実施した。 そこで仕事のスピード感や経営ビジョンの重要性など、民間企業ならではの働き方を肌で感じることができた。最も印象に残っている担当した研修は、経営人材を育成するために行う選抜研修。コロナ禍の研修のあり方も考慮した上で、企画・実施。この研修企画の仕事を通じて、挑戦し続けることや目的意識の重要性を再認識するとともに、現場への想像力、折衝力、実行力などが養われた。
- 現在は主に給与制度の設計や各裁判所に人材を配置するためのポスト整備等の仕事に従事。国家公務員は、定年引上げを控え給与制度も大きな転換点を迎えています。全国2万人を超える職員全体の最適な給与制度を設計することは、困難なミッション。同時に、新しいことに挑戦できる喜びも。また、ポスト整備については、現場の声を聴きつつ、裁判所を代表して外部機関とのやり取りを行った上で 実行しています。民間企業は、裁判所と異なる側面も多く、経験や学びをそのまま還元できるわけではない。視野を広げ、目的の達成に挑戦し続けるといった出向先で学んだ本質を取り入れて、裁判所版にアレンジし、今の仕事に役立てている。
- 家裁調査官は、少年事件や家事事件において調査を行うが、その中には依存症、DVなど、複雑な状況が関わることも少なくない。外国は、そのような問題にどう対応しているか気になり在外研究制度に応募し、オーストラリア国立大学に 1年間派遣され、研究を行いました。
- 大学では、講義受講は勿論、客員研究員としてオフィスや資料へのアクセス権等、研究環境を整えてもらえた。オーストラリア国内各地に赴き、法曹、家裁調査官と似た役割の 専門職等へのインタビュー、各種プログラムの見学も経験。知り合った専門家や訪問先職員と一緒に食事に出かける機会も。日豪の司法制度の違いや課題、オーストラリアでの生活などについて率直に話すこともできた。
- 在外研究で司法制度を学ぶ機会は、とても刺激的でした。冒頭に挙げた問題意識(依存症、DVなど、複雑な状況)関連でいえば、被告人の更生支援のプログラムを提供する薬物裁判所などに代表される問題解決型司法の仕組みに興味を持ちました。薬物裁判所では、裁判 所が治療プログラムを被告人に課し、その進行を定期的に確認する。担当裁判官は、裁判所は、量刑を課す権威であることとともに、プログラムへの動機づけを行うこととのバランスが重要で、裁判官・ 関係者の態度が結果に大きく影響しうる。オーストラリアでは、法曹や裁判所職員など「人」が利用者に与える影響が注目されている、司法分野で働く人々の心の健康問題も大きく取り上げられていました。難しい問題に対処する仕事だからこそ、その中で働く「人」が重要であると改めて気付き、自身も仕事で利用者に真摯に向き合いたいと実感しました。
- 現在は、最高裁判所秘書課の渉外第一係で、外国法曹の受入、 オンライン講演会等を運営する仕事に携わる。在外研究で得た一番大きい知見は、日本や自らの裁判所職員としての 役割を客観的に見つめる視点を得たことだ、その経験は、国際交流に関連する今の仕事でも活きている。受験生にも、こうした視野を広げる機会に興味を持ってもらえると嬉しい。
研修制度について
参考:裁判所の研修計画
- 裁判所職員総合研修所
- 埼玉県和光市にある最高裁判所の研修機関。裁判所書記官及び家庭裁判所調査官の養成、裁判所職員(裁判官以外)の職務能力向上のための様々な研修や各種研究を行う。裁判所職員総合研修所は、講義やグループ討議など、目的に応じ利用できる大小多数の教室ほか、面接演習室、模擬審判廷など様々な専用設備を備えている。全国から集まる職員のための宿泊施設も敷地内に完備。また、裁判所のデジタル化に伴うリモート研修等も実施している。
- 採用後の研修OFFJT
- 4月 :フレッシュセミナー
- 採用直後に、職員として当面必要な知識を習得
- 4~5月:新採用職員研修・総合職採用職員初任研修
- 職員の基礎知識とふさわしい心構えを習得
- 採用年度末(2~3月):フォローアップセミナー
- 採用1年目の仕上げ、習得した内容を確認。2年目のスタートに備える。
- キャリア研修例
- 事務官法律研修
- 総合職試験合格者及び法科大学院修了者以外の事務官を対象に、基礎的な法学教育を行う。
- 書記官ブラッシュアップ研修
- 中堅書記官としてより高い視点から書記官の職務全般を遂行するのに必要な資質、能力の向上を図る。
- 事務官法律研修
- 4月 :フレッシュセミナー
ワークライフバランスについて
一人目の育休から復帰し、子の体調不良で急な休みが増えた際の上司の言葉「仕事は、職場がバックアップする。完璧を目指さなくていいから力を発揮してほしい。」同僚にも支えられ、可能な範囲で精一杯、頑張ろうと前向きな気持ちに切り替えができた。上司のように部下を支え、チームを作る管理職員になりたいと管理職を目指すきっかけに。
現在は管理職として、部署全体、部下の成長のための取組を考え緊張感をもって仕事をする毎日に。退庁後は、帰宅中の電車で読書や献立を考えたりして仕事モードを切り替える。夫と子どもの送迎、行事参加、宿題など、協力して育児・家事を分担している。昼休短縮制度も利用し15分早く退庁することで、子どもの送迎もできている。
充実した子育て支援制度、見守ってくれる上司、快くサポートしてくれる同僚の存在など、度を利用しやすい 環境が裁判所にはある。感謝と恩返しの中で受け継がれている。
- 支援制度一覧
- 産前・産後休暇
- 産前休暇は出産予定日を含む6週間前の日から、産後休暇は出産した日の翌日から8週間を経過する日まで、それぞれ認められる。
- 育児休業:取得率(女性)100%(男性)62.4%
- 子が満3歳に達する日までの間、希望する一定期間取得可能
- 育児時間
- 子が小学校就学の始期に達するまで、1日を通じて2時間を超えない範囲内で利用可能。
- 育児参加休暇
- 妻の出産予定日の6週間前の日から、出産した日以降1年を経過する日までの期間内に、5日間の範囲内で取得可能。
- 配偶者出産休暇:取得率(男性)88.7%
- 妻が出産するため病院に入院する等の日から出産の日後2週間を経過するまでの期間内に、2日間の範囲内で取得可能。
- 早出遅出勤務
- 始業・終業時刻を繰り上げ又は繰り下げるなどして勤務する制度
- 子の看護休暇
- 子が小学校就学の始期に達するまで、その子の看護のため1年に5日間の範囲内で取得可能。
- 介護休暇:取得率
- 家族の介護を行う職員が、一定の期間取得可能
- フレックスタイム制
- 一定の範囲内でフレックス勤務をすることが可能。
- 産前・産後休暇
裁判所事務官 採用パンフレット(令和3年度)の要旨
公ペンが独断と偏見で使えると思った場所を抜粋しています。
表紙のメッセージ 重要度★★★
- 男女問わずライフステージにあった働き方
- 人としてずっと成長できる
- 変化を恐れずチャレンジする気持ちがだ大切
- 一生をかけて自分を高めることができる
- より良い司法サービスの提供の追求
- 適正で迅速な裁判の実現に欠かせない仕事
- 司法を担う誇らしい仕事
- 裁判手続きのプロフェッショナル
- 学部・学科を問わず活躍できる職場
- 法律の専門職としての使命感
- 「人」や「社会」と向き合う仕事
- チームとして仕事をする意識が高い
- 衣装めがけて自分を高める
- 自分のキャリアを生き生きと歩んでいける
- 相談しやすい風通しの良い職場
- 裁判所への信頼を支える仕事
- 自己成長をしながら社会貢献できる
- どんなことでも相談しやすく若手でも意見を述べやすい
大法廷主席書記官の言葉 重要度★★☆
- 現代社会では国際化をはじめ多種・多様な価値観により、紛争が深刻化・多様化している。
- 国民から迅速かつ適正な裁判への信頼及び期待が高まっている。
- 裁判所の共通目標「迅速かつ適正な裁判」達成のため、職種を超え、チームで議論や活動をしてきた
- 事務官は、法律知識以外に柔軟な思考力やひたむきに取り組む情熱が国民に求められている。
職種紹介 重要度★★★
裁判所事務官 ~適正・迅速な裁判の実現を支える~
各裁判所の裁判部や事務局に配属。裁判所書記官のもとで、各種裁判事務に従事。事務局では総務課・人事課・会計課にて裏方事務※を行う。裁判部・事務局は互いに連携を図り活動。司法ニーズは社会情勢の変化、経済情勢の変動、価値観の多様化によりますます増大している。
※人事課・会計課等のは他の公務員でもありそうな部署名の事務は、事務手順としてはあまり司法特有とはならないかと思います。
裁判所書記官 ~裁判手続のProfessional~
法律の専門家として固有の権限(裁判所法第60条)があり、権限に基づき法廷立会・調書作成・訴訟事項の証明・執行文の付与・支払督促の発付等を行う。また法令や判例の調査や、弁護士・検察官・訴訟当時者と打合せも行う。裁判の円滑な進行に大きく資する。また書記官が立ち会わないと法廷は開けない。
家庭裁判所調査官 ~家庭や非行の問題解決のProfessional~
夫婦・親族間の争いや家庭問題を解決する家事審判・家事調停・人事訴訟、非行少年の処分決定を扱う。いずれも法的な解決でなく事件背景(人間関係・環境)も考慮した上での解決が求められる。解決のための具体的な調査例はパンフレットを参照(P.03)
裁判所事務官・裁判所書記官の話 重要度★★☆
民事公判係2年目(裁判所事務官)の話
法廷事務、訴訟関係書類の収受や来庁者の窓口対応を担当。事務官も事務仕事を通して事件に深くかかわれ、充実した毎日を過ごせる。職場は明るく係を超えて仲が良いためサポートしあえる関係性で仕事ができている。
採用前は専門知識が必要な印象から不安ああったが、先輩が資料・根拠を基に1つ1つ初めての仕事は教えてくれる。落ち込めば励ましてくれたりアドバイスをしてくれたりの配慮もある。
当初は仕事の理解に手いっぱいだったが、事務の優先順位の相談や業務効率化の工夫等考え、多い事務量を落ち着いて捌けるようになった自分に成長も感じている。現在では、自分の仕事以外に(かかり全体の事務が円滑に進むように)配慮ができるようにもった。感謝もやりがいに
簡易裁判所には、知識に乏しい国民も来庁し、事務官が対応することも多い。戸惑っている人には積極声をかけ、不安を軽減できるよう手続の流れ等分かりやすい言葉で説明を心掛けている。来庁者に中立性のある適切な対応に難しさも感じるが、先輩の姿を参考に日々、臨機応変な対応ができるよう研鑽している。
若手事務官による業務改善を検討する勉強会に参加し、マニュアル作成(担当事務フローや業務効率化のコツ)や災害発生時の初動マニュアルを作成した経験は自分の中で業務外のプラスアルファ。
裁判所書記官への任官が現在の目標。根拠を調べ事件の進行を議論する先輩書記官をも見てあこがれが強くなった。試験に向け裁判官主催の勉強会参加・講義の受講に励んでいる。将来は様々な部署を経験し、周りに良い影響を与えられる職員となりたい。
刑事事件担当(裁判所書記官)の話
刑事事件の裁判「犯罪容疑者が本当に罪を犯したかを判断し、有罪であればどんな刑罰を与えるかを決める裁判」
裁判が適正かつ迅速に進むよう、裁判官のサポートをすることが役目で、裁判官と相談・協働して職務を行うことが、正しい手続きを行う上で重要。裁判手続の主宰者(裁判官)と補助者(書記官)の関係と同時に「パートナー」とも意識している。個別事件の進行管理で問題が生じた際、(調べ考えた)自分の対処方針が裁判官に採用された時には、自分の仕事に誇りを感じる。
書記官だからこそできる仕事も多々ある。重要例として「公証官」の役割、裁判手続を記録で残すための書面での「調書作成」が代表例。裁判後に、どんな手続が行われたかを後に証明しうるものは、「調書」しかない。どんなに適正な裁判を行っても誤った「調書」では後に、手続の適正性に疑義を持たれてしまう。そのため書記官の責任は重く、同時にやりがいもある。
法律の知識の乏しい国民と接する仕事でもある。10年前に始まった裁判員裁判の候補者と話す機会も増えている。候補者が安心して裁判に臨めるように、話をよく聴き、易しい言葉で手続について説明するよう心がけている。
書記官には正しい法律知識や適切な説明力はもちろんだが、人と接する仕事でもあることから「想像力や思いやり」も公正中立な立場を踏まえた上で重要だ。
上司・同僚に恵まれており、現在の所属でも、職員相互とても声がかけやすい。誰かが悩めば皆で助け合えるそういった環境だ。
家庭裁判所調査官の話
仕事を通じて、少年はひとりひとり様々な葛藤・事情から非行に走ると感じ、保護者は指導につかれ、無力官を抱く人が多いと感じる。が我が子が非行少年となる事を望む親はいない。それらに耳を傾けながら、非行につながる様々な要因を把握し、解決のためにどんな手当が必要になるかを考えながら日々、調査に臨む。面接では、少年が自ら非行を振り返る機会となるよう自分も一緒に考えたりしながら、少年が反省し二度と繰り返さないように働きかけを行う。
少年とやり取りする際には、小さな成長や変化に気づき認め、少年に自信を持たせるよう工夫している。そして少年を評価し、成長や変化を保護者と共有するよう心がけてきた結果、少年の非行改善につながり、少年自身も明るくなった経験があります。少年が更生し、生活を立て直していくためには、少年自身の気持ちや力も重要だが、家裁調査官として、その立ち直りに資することができたと感じる際には大きなやりがいを感じる。
少年事件・家事事件共に、家裁手続は当事者の人生を左右しかねない重要な場面だ。家裁調査官の仕事はその場面に専門的な知識や技法を活かしより良い方向に進むよう資する仕事でありやりがいがある反面、責任は重い。人と関わる仕事は他にもあるが、上記のような「人生の重要な場面で深い関わり」ができることが家裁調査官の一番の魅力だ。
TALK SESSION 重要度★☆☆
主任書記官×裁判所書記官×裁判所事務官
- 書記官と事務官の連携が重要
- 人の権利に直結するため、郵送一つとっても責任の重い仕事
- 若手を育てつつ、若手からも学ぶ。
- 同僚のことも自分のこととして考える。
- 様々な部署経験が仕事をさらに充実させる。
主任家庭裁判所調査官×家庭裁判所調査官補
- 人の人生に深くかかわれる仕事に感銘を受けて家裁調査官になった。
- 人生経験の濃さは仕事につながる。学生時代の人生経験は重要。
- R2から使用試験の制度が変わり、チャレンジしやすくなったよ。
司法行政部門で働く
- 人事部門から裁判所を支える(人材育成・適正な人員配置・健康管理)
裁判所で活躍する女性職員
- 管理職・書記官には子育て世代の女性や産育休後や時短勤務後の職員も
- 様々なキャリアプランのロールモデル
- バラエティーに富んだ職場(事務局・事件部(民事・刑事・家事・少年))で成長できる
- 管理職になる事の魅力
メッセージ 重要度★★☆
裁判所事務官 採用2年目職員からのメッセージ
- 裁判所を選んだ理由
- 裁判傍聴に行った際、法廷内外での職員の動きを見て業務に興味を持った
- 充実した研修制度
- 裁判員裁判を傍聴して、裁判員への接遇に携わりたくて
- 司法権を担う裁判所という職務の高い専門性に魅力を感じて
- 風通しの良い職場、男女育休がとりやすい風土
- 大学で学んだ心理学を家裁調査官に活かしたく
- 足を使って学校や家庭に情報収集しに行く仕事ぶりにひかれて
- 職場の雰囲気
- 厳粛で静かな印象だったが、実際は風通し良く相談しやすい職員相互のコミュニケーションが活発。周囲の先輩は頼りになり、温かく教えてくれる。
- チームとして協力し合う意識が根付いている。新入職員の意見も活発に取り入れる風土
- 仕事について
- 多岐にわたる業務及び仕事の責任感に、当初は戸惑ったが、知識の習得や業務経験の積み重ねで戸惑いや責任感は、やりがいと感じるように。
- 家裁調査官補として調査官になるための修習を受けている。心理学等の行動科学の知見や法律知識を醸成しながら、指導担当者と実際の調査面接を担当し調査報告書の作成を行っている。調査では実際に学校や家庭に訪問する出張調査も行う。
- 今後の目標
- 国民が安心氏で利用できる裁判所の実現のため尽力し内外から信頼される職員になる。
- 司法サービスが身近に感じられるよう、国民の裁判所への関心を醸成したい。
- 家裁調査官として、相手の気持ちを尊重し、内内で考えていることを汲めるように。また自分の言動に責任を持ち、相手方と関わっていきたい。
- メッセージ
- 充実した研修制度や綿密な育成計画で職員個々を育ててくれる職場
- 説明会・体験会・裁判傍聴で実際の雰囲気を味わいにきてね
- 様々な職種、優しい先輩方と協力して働きやすい職場環境で仕事に取り組んでいるよ
裁判所総合職 からのメッセージ
採用なからの20年、様々な変化があったが、よりよい司法を実現するために裁判手続や職員の事務も共に変化してきた。今後も先入観や既存の価値観に囚われず実情に合った支援を日々、組織として議論し実現していかなければならない。また自己研鑽らしからぬ日々の暮らしの中に「考える力」「実行する力」もあったりするので、趣味や家事や育児等から何を吸収できるかは自分次第です。日々の生活が自分の力になりうる。
総合職には裁判所全体を俯瞰的に見る幅広い視野のもと、課題発見や解決策・実現策の企画力及び立案力が期待されている。例えば社会のIT化に伴い、民事訴訟では電話会議やテレビ会議を活用することはあるが裁判期日には原則、当事者は裁判所に出頭して手続し、書面提出も郵送やFAXを用いるといった現状もあり、社会の要請や工区最適な潮流に応えられていないかもしれない。今後、民事訴訟ではITツールの導入で裁判のさらなる適正迅速化・利便性・手続きの透明性等の向上を図れないかを検討している。利便性及び安全性を意識した新たな検討ともなるため、まさに総合職としての能力が求められている。新たなことを学ぶには、エネルギーが必要であると同時に成長の好機でもある。そういった機会を与えられていることに感謝及び努力しつつ総合職として求められる人物像に日々、近づけれるよう業務に臨んでいる。
総合職採用後、早期の段階から裁判所のあるべき姿、進むべき方向を検討し、決定過程に関わっていけることは総合職の魅力だ。ぜひ皆さんの能力を総合職で存分に発揮してほしい。
幹部職員 からのメッセージ
事務局長
裁判部門の円滑な運営を後方から支援する司法行政部門は裁判所に不可欠である。双方が一体となりチームとして働くことで組織が成り立っている。
裁判所内では「人が財産」とよく言われる。職員一人一人の考え方及び行動が裁判所を支えていると同時に人との繋がり(出会い・触れ合い)の中で、互いを磨きあい成長できる伝統的な特色ある組織であるためだ。
主席家裁調査官 からのメッセージ
人との出会いが、自身のキャリアを支えている。裁判所はチームで仕事をする組織だ。そしてチームは多様な個性の集合から相乗効果を生み出し、最大限の成果を上げることができる。あなた方との新しい出会いを楽しみにしています。
裁判官 からのメッセージ
裁判所事務官・裁判所書記官との連携
裁判に事務官・書記官の活躍が不可欠。訴状の記載事項及び添付書類の確認から立会い、その後の調書作成は書記官を主に行われる。裁判の始まりから終わりまでの手続きの適正さの担保、また円滑な進行を確保する役割を書記官は担っている。
事務官は書類点検や当事者への書類送付の準備、法廷の設営や裁判で使用する機材の設営を行う。裁判時には当事者を順次当事者席に案内するなどし、裁判手続が円滑に進むよう、裁判官・書記官をサポートする。
上記のように裁判は裁判官・書記官・事務官のワンチームで裁判は適正かつ迅速に進んでいく。また各々の知識経験を活かし補いあい裁判を行っている。
裁判外でも裁判官と書記官はチームを組んで議論を進めることもある。また事件の担当枠を超えた様々なプロジェクトチームで裁判手続上の事務処理等に関する議論を重ねている。
裁判官・事務官・書記官は、公平中立な立場で、適正・迅速な裁判を実毛するという大きな目的を共有するチームである。
家庭裁判所調査官との連携
家庭裁判所は離婚・相続・夫婦関係・親子関係等での争いに関する家事事件や非行少年達の再非行防止を図る少年事件等を扱う。
裁判官は法の専門家として事件解決を担うが、家庭裁判所の場合は法的な解決のみならず、事件の背後に潜む家庭環境や人間関係にも配慮が必要で、裁判官のみで真の解決まで導くことは困難である。そのため家庭裁判所には法の素養と人間関係諸科学の専門知識を備えた家庭裁判所調査官がいる。
裁判官と調査官は密な意見交換と議論を重ね、事件解決の方向性及び解決後の少年たちの生活等についてのイメージを共有し、事件に取り組んでいる。
例えば家事事件、離婚に際したこの親権者の指定や子と親の面会交流など子をめぐる問題が紛争の中心になる案件が数多くある。その際、当事者双方の生活環境や子の年齢・成育状況等を慎重に調査しなければ適切な結論は出ない。調査官は、家庭訪問や子が通う教育機関等と連絡調整、親や子との専門的知識を踏まえた交流等により各々の意向や心情を調査する。特にこの面接の際には、中立公平な第三者でありつつ、将来における子の不安を和らげたり、本心を汲み、子の心情を把握します。
少年事件では、再非行防止のため、少年の成育歴や生活環境等を調査し、非行に至る背景事情や動機を明らかにし、その問題点を少年自身に向き合わせ、改善に向けた方策等を考えさせるとともに、支援者や社会福祉機関、教育機関、就業先等と少年のマッチングを図ります。
家庭裁判所調査官の調査が充実したものであればあるほど、裁判官は事件関係者(親や子、少年)に納得のいく解決策を示しやすくなる。家庭裁判所では裁判官と家庭裁判所調査官が協力し合い、紛争が真に解決するよう懸命に取り組んでいる。
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